事例紹介
相談や取扱い事例が多い、つまりは、どなたでも当事者となる可能性がある、離婚、遺産分割、交通事故の解決例とその際の弁護士費用について、ご紹介いたします
※個人情報の問題がありますので、現実の解決例を簡略化、アレンジしてのご紹介です。
離婚
事案の概要
50代の女性から依頼を受け、離婚調停を経て裁判となった例です。
親権、財産分与、夫の不貞行為の有無、慰謝料などの点が争いとなりましたが、離婚とともに依頼者に親権者指定がされ、預貯金等の財産分与と慰謝料がそれぞれ数百万円認められました。
また、預貯金等のほかに夫が受け取る可能性の高い退職金についても財産分与を請求し、相当額の分与が認められた事例です。
解決のポイント
この方の場合、裁判までされました。慰謝料請求の場合は、裁判まで行わなければならないことが多く、また、確たる証拠があるかといった問題があります。
実際の対応に当たっては、すみやかな離婚や解決を望まれるのか、時間がかかっても良いのかをご相談いたします。
退職時期が数年先など、そう遠くない将来の場合、相手方へ支給予定の退職金も財産分与の対象となります。
弁護士費用
家事・民事などの事件の場合、弁護士費用は着手金(事件に着手するにあたっていただく手数料)と成功報酬(何らかの成果が得られたことに対する報酬)の2種類をいただくこととなります。
離婚事件の弁護士費用の目安は、着手金が調停について20~40万円、訴訟となった場合10~20万円の追加、離婚成立の場合の報酬は20~40万円。 その他、金銭請求につきましては別途ご相談となります。
遺産分割
事案の概要
亡父の相続について、現金預金、自宅不動産、賃貸不動産などの分割の方法や相続する財産の額の争い。亡父母と同居した二男から、特別の貢献(寄与分といいます。)による相続分の増額(寄与分といいます。)が主張され、逆に他の子供から二男に対して、父から二男への金銭の受贈など特別な利益による減額(特別受益といいます)の主張がされました。
二男が二男家族の自宅である不動産を取得し、その他の遺産は他の子供で分割しましたが、二男の相続分は他の子供よりも少なくなりました。
解決のポイント
1.寄与分について
寄与分のハードルは高いと思ったほうが良いです。
同居して親の面倒をみたというだけでは認められません。相続財産の減少を防ぐ、あるいは、相続財産を増加させるような貢献が必要です。
2.特別受益について
父の好意からとはいえ、金銭の贈与を受けていれば、通常その分相続分が減ることになります。そのため、二男さんの相続分は他の子供より少なくなったわけです。
3.遺産分割の場合
まず、不動産の分け方が問題となります。 二男さんとしては、自宅を希望したので他の遺産は相続できなくなったものです。
4.相続が発生してからの賃料(父が亡くなった後の賃料)
遺産ではありませんが、原則として法定相続分にしたがって分けることになります。
5.遺産分割ができた場合
不動産の名義を変更する必要があります。 当事務所では、安心して登記手続きを依頼できる司法書士の方をご紹介いたします。
弁護士費用
遺産分割事件の弁護士費用の目安をお知らせします。
1.着手金
依頼者の方の請求できそうな金額を基に、着手金の範囲内で決定することとなります。
2.報酬
依頼者の方が相続した金銭や不動産の金額を基に、報酬の計算方法の範囲内で決定します。
但し、遺産分割事件の場合、寄与分や特別受益の主張がない比較的単純なものから、非常に込み入った争いとなっている事案など多様です。
また、金額的に多額な事例もありますので、「着手金と報酬の計算方法」の範囲内でどのような弁護士費用となるか、事前にご相談して契約書を作ります。
特に着手金については、「着手金と報酬の計算方法」どおりの計算では負担感が大きいと思われますので、事件受任時には、着手金の一部だけをいただき、遺産分割後に清算といった扱いも行っております。
交通事故
事案の概要
二人暮らしをしていた中年ご夫婦の奥さん(50歳)が道路を横断中に車に跳ねられ、亡くなられた事故。奥さんには年80万円くらいのパート収入がありました。
相手方保険会社から提示された「損害賠償計算書」をチェックしたところ、金額が低く過ぎると思われました。
保険会社からの提示額は、
1.逸失利益
奥様が生きていらっしゃれば得られたであろう収入として(「逸失利益」といいます)、パート収入に上乗せした年収160万円を基に約900万円。
2.慰謝料
1800万円でしたが、裁判例を前提に妥当な計算をした場合は逸失利益について約2倍、慰謝料も数百万円増額されるべき事案でした。
解決のポイント
1.主婦の方の場合
女子労働者の平均賃金を基に逸失利益の算定をするのが通常ですので、年収は300数十万円くらいを基礎にします。
パート等の収入があっても、平均賃金より低ければ、平均賃金で計算します。
2.死亡慰謝料
一家の主たる働き手であるのかなどによって、金額が増減しますが、いずれにしても2000万円以上であることが多いでしょう。
3.過失相殺
この事例では触れませんでしたが、道路横断中など事故態様によっては過失相殺という問題が出てきます。
総損害額から被害者の方の過失割合によって減額されることとなりますので、交渉や裁判をするにあたっては過失相殺についても事前に検討しなければなりません。
弁護士費用
1.弁護士費用特約のある場合
現在の自動車保険では、特約により被害者の方の弁護士費用を補償される場合があります。この特約があれば、弁護士費用の負担を心配される必要はありません。
2.通常の委任契約の場合
ご紹介した「着手金と報酬の計算方法」が基本となります。 但し、遺産分割事件の場合と同様、事案に応じて「着手金と報酬の計算方法」の範囲内でご相談して契約書を作ります。着手金について、事件受任時には一部だけをいただき、相手方からの賠償金支払い後に清算といった扱いも行っております。
3.裁判で判決が出された場合
交通事故事件の場合、裁判所が、金額や内容に応じて、賠償額の1割くらい弁護士費用の上乗せしてくれます。 したがって、賠償額が比較的高額の場合、通常の委任契約でも弁護士費用の自己負担が発生しないことがあります。